①「聞き取り調査」
税務調査がスタートするとまず行われるのが「聞き取り調査」です。
はじめはちょっとした世間話から始まり、
会社の概要などを聞き取りします。
この聞き取り調査から不正発見の糸口をつかむ事もあるようです。
(ただし単に納税者と打ち解けることを目的に会話をしている場合も
多々ありますから、不必要に警戒しすぎる必要はありません。)
②現金の監査
特に現金商売の場合は、現金出納帳の現金残高と、
現金の実際残高がきっちり合っているかを チェックされます。
特に青色申告の場合、青色申告の要件として
「現金管理をきっちり行うこと」との一文がありますから、
現金管理を きっちり行っていないと青色申告を取り消される事も
考えられますから注意が必要です。
③受注から売れ上げまでの流れをチェック
受注を受けてから仕入注文、支払い、引渡し、
売上入金までの一連の流れをチェックされます。
特に売上については計上時期をずらして利益を
操作していないかどうかを 入念にチェックされます。
(税務調査で指摘される事項で最も多いのは
「期間のずれ」の指摘です。
具体的には3月決算法人が3月の売上高を
4月に計上していた、といったものです。)
また仕入状況と期末の在庫の額とを確認して、
在庫の計上漏れを指摘することも多いです。
④経費の状況をチェック
経費の発生状況をチェックします。
特に金額が大きなものは売上と対応しているか、
経費性があるか、架空のものではないか、
消費税の処理は正しいか、といったところをチェックします。
なお、経費性のないものを会社の損金に計上している場合、
社長への貸付金や賞与として認定されてしまうことが
ありますから注意が必要です。
(貸付認定の場合は損金に落ちない上に「受取利息」の計上が必要になり、
賞与認定の場合は損金に落ちない上に「源泉所得税」の納付が必要になります。
この場合は追加納付額が相当大きくなりますのでかなり痛い目に遭います。)
⑤反面調査
実態の疑わしい取引や、不正の可能性が高い取引については
取引先に対して調査をすることがあります。(「反面調査」と言います。)