森田税理士・社労士総合事務所の徒然日記
飲食店等の開業に当たっての財務シミュレーション
こんにちは。税理士の森田健一です。
7月は源泉所得税納期特例納付書の作成、労働保険申告書の作成、
社会保険算定基礎届の作成等の業務がありましたので
忙しくさせていただいておりましたが、
8月になりようやく少しだけ落ち着きました。
しかし8月になり連日暑い日が続きますね。
どうか皆様もお体ご自愛下さいませ。
ところで今回は飲食店等の
店舗の開業について書きたいと思います。
弊社におきましても飲食店を開業する予定のお客様から
色々とご相談をいただく事があるのですが、
飲食店は開業3年後までの廃業率が70%を超えるというデータもあり、
開業後繁盛させて長年利益を確保していくのは
正直な所、業種としてはかなり厳しい状況です。
せめて開業する前に財務的なシミュレーション位は
しておかないと、いざ高額な内装工事をして開業してみた所
全くペイできない状況であることが数か月で分かってしまう・・
といった事にもなりかねません。
そこでもしこれから飲食店を開業しようと考えている場合、
以下の問いの答えがすぐに出てこないようでしたら、
一度計画を練り直したほうが良いと思います。
1. 1か月あたりの固定費はいくらか?
※減価償却費の月割額も含めて下さい。
※商品の仕入原価(材料代)は含みません。
※ざっくりと、商品の仕入原価以外の費用を
すべて固定費にしてもらってもいいと思います。
2. 売上総利益率はいくらか?
※売上総利益=売上高 - 売上原価(材料の原価)
売上総利益率=売上総利益 ÷ 売上高 です。
(飲食店の場合は、60-70%位が平均でしょうか。)
3. 損益がとんとんになる場合の売上高
(損益分岐点売上高)はいくらか?
※1.の固定費 ÷ 2.の売上総利益率 で
ざっくりと求められます。
4. 確保したい利益を上げるために必要な
売上高はいくらか?
※(1.の固定費+確保したい利益) ÷ 2.の売上総利益率 で
ざっくりと求められます。
5. 4.の売上高を上げるための1日当たりの客数、客単価はどれ位か?
6. 5.の客数、客単価は店舗の立地、スペース、
提供する商品内容から現実的な数字かどうか?
(例えば)
・1か月あたりの固定費が80万円
・売上総利益率は70%
・確保したい利益は月30万円
上記の場合、
※月間の損益分岐点売上高
=80万円 ÷ 70% = 1,142,857円
※30万円の利益を確保するための月間の売上高
=(80万円+30万円)÷70%=1,571,428円
※売上高158万円を上げるためには、
月26日稼働した場合、
1日あたりの必要売上高は約60,800円です。
スペース、立地から客数が1日30名見込まれる場合、
必要な客単価は約2,030円 です。
なお、上記は飲食店について書かせていただきましたが
小規模な店舗を開業する場合には同様に当てはまる事だと思います。
もし店舗の開業をお考えの方がいらっしゃいましたら、
ご参考にしていただけましたら幸いです。
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
森田税理士事務所
税理士 森田 健一